平凡な通関士である私が「自分らしさ」を追い求めるより大事にしているたった一つのこと

昨今、巷では「個」の時代だと言われています。
2020年頃から巻き起こったコロナ禍以降、在宅勤務が急速に普及してきました。また、インターネット経由で単発の仕事を請け負う「ギグワーク」も一般的になってきました。
このように働き方が多様になるのは、働き手にとってはいいことのようにも思われますが、見方によってはとても過酷なことだとも言えます。
というのも、優秀なフリーランスに事務や営業の仕事までも外注するのが一般的になったら、多くのサラリーマンが会社での居場所を失ってしまうことになりかねないからです。
際立った「個」の力がないと生き残れない。
そんな時代の空気はよりいっそう強まってきています。
では際立った「個」の力がない私のような人間はどうすればいいのか。個性のない人間は社会から必要とされないのでしょうか。
そこで今回は、際立った「個」の力がないと自認する人が大切にすべき考え方についてお話します。
これを読むことで、際立った個性のない平凡な人でも「自分らしさ」を手に入れることができます。
平凡だと自認する人が強力な「個」を手に入れる方法
そもそも際立った「個」を持っている人とはどんな人のことでしょうか。
ビジネスの世界で突き抜けた実績を持っている人、何事にもブレない信念を持ったリーダーシップのある人。
あるいは、パブリックスピーキングが上手い人、テレビや YouTube といったメディアで活躍する人など、誰もが口を揃えて称賛するような人たちを想像したのではないでしょうか。
そうした人たちは、見るからに個性的で人を惹きつける魅力にあふれていますよね。
常識や慣習に縛られず、常に我が道を行く豪胆さもあわせ持っています。アーティストのようなビジネスパーソンとも言えるかもしれません。
では逆に、表現できる自分なんて持っていない人はどうすればいいのでしょうか。
あるいは、表現したくても才能がないと自覚している人は、際立った「個」を持つことはできないのでしょうか。
いいえ。そんなことはありません。
自分を平凡だと自認する人ほど強力な「個」の力を発揮する方法があります。
それは、徹底的に相手の期待に応えるという生き方です。
つまり自分を表現するのではなく、人の期待に応えることを追求するのです。
自分らしく好きなことをして生きていくことの嘘
そんなことを言うと、自分を押し殺してまで仕事なんてしたくないと思うかもしれません。
しかし、そんな人は仕事の本質というものを勘違いしています。
仕事の基本は、相手の問題解決と願望実現です。自分の好きなことをやるのは、それは単なる趣味です。
残念ながら、自分の好きなことだけをやってお金を稼げるほど世の中甘くはありません。私の解釈では、趣味は自分が楽しむためにやるものであり、仕事はお客さんのためにやるものです。
あなたも一度は耳にしたことがあると思いますが、「好きなことで稼ぐ」や「自分らしく働こう」という言葉は、どこかワクワク楽しいものに聞こえますよね。
しかし、たとえ自分の好きなことをやったとしても、仕事であれば辛いことも苦しいこともたくさんあります。さらにその上で稼ぐとなれば、より一層の努力が必要となるわけです。
そこら辺のことが分からずに、ただ表面的に「好きな仕事をしよう」とか「自分らしく働こう」と言っている人は、頭の中がお花畑としか言いようがありません。
なぜ、自分が好きなことだけをしていても幸せを感じられないのか?
どんな仕事にも相手がいます。
営業や商品開発、広告宣伝であれば、相手は取引先になるでしょうし、人事や総務といった内部で働く部署の相手は、他部署の同僚たちでしょう。
では、通関士にとっての相手とは誰か。
それは雇用契約を結んだ会社であり、税関であり、フォワーダーです。
こうした相手をよく知り、彼らが何を求めているのかを理解し、その期待に応え続けることができたとしたら、どこにいても何をやっても常に周りから必要とされる人材になれるでしょう。
芸術家のように自分を表現することだけが「個」ではありません。特別な才能がある人だけが「個」ではありません。
さまざまな場面で相手の期待に応えることも、立派な際立った「個」を持っている人と言えます。
どんなに自分が好きなことをしていても、それが誰からも必要とされなければ虚しいだけで決して幸せとは言えませんよね。
幸福とは、誰かの役に立っているという貢献感こそが源泉なのです。
まとめ
会社における地位や肩書きではなく、自分の力で仕事も幸せも引き寄せることができれば、誰しも際立った「個」の持ち主になれます。
そのために強烈なカリスマ性や人を惹きつける魅力は必要ありません。また、自分がやりたいことや好きなことも関係ありません。
通関士に求められる人材とはシンプルに、そつなく、ミスなく、素早く円滑に処理できる人です。あなたが通関士の仕事を好きであろうと嫌いであろうと、相手にとっては一切関係がありません。
極論、あなたらしく生きているかどうかなど、市場にとってはどうでもいいことです。
通関士という職種に、ユニークで独創的なひらめきなど必要ありません。クリエイティブな仕事など求められていません。
喜怒哀楽という感情は一旦脇に置いて、淡々と相手の期待に応えましょう。
ビジネスの出発点は、あくまでも自分ではなく相手なのですから。





